5契約書などの要否

不動産登記に関するよくあるご質問

Q 登記をするためには、売買などの契約書が必要ですか?契約書は法務局(登記所)に提出しますか?

A.「売買契約書」や「贈与契約書」などの名称の書面を作らなければ登記が通らないわけではありません(※1)。

「当事者間の契約書」を法務局に出さずとも、他に当事者間の権利変動の事実を証明できる書類(登記原因証明情報)を準備できれば、契約書がなくても登記は通ります。

しかし、重要な財産の処分に関する事柄です。たとえ親しい間柄であったとしても、契約書、領収証、銀行通帳の出金履歴(買主)、入金履歴(売主)、その他関連事項の覚書など、事実関係を説明できる証拠を残しておくべき例が多いかと思われます。

証拠を残しておくことで、万が一当事者間で紛争になった場合の備えになります。
また、税務当局から何らかの疑いをかけられたときにも、適正な契約書とこれに基づく代金支払い等の記録があるとよいかと思われます。

少なくとも、登記の審査部門に対しては、権利変動にかかる事実関係が真実に相違ない旨を読み取れる書面(登記原因証明情報)の提供が必要です。

そこで、最初の段階で当事者間で契約書を作っておき、お互いの考えを明確に書面化したうえで事を進めるのが適切であると考えます。登記手続まで見通しを立てた契約書の文案も、ヒヤリングのうえ、弊所で作成できる場合があります。

なお、当事者間で争いがあり相手方の登記手続への協力が望めない場合もあります。このようなときは契約書の作成は不可能です。そこで、判決や調停などにより、裁判所が事実認定をし、登記申請意思があることも擬制され、判決書謄本や調停調書が登記原因証明情報となります。

(※1)むしろ、「売買」の場合、売買契約書の記載だけでは登記に必要な情報が網羅できていない取引事例が多いため、別途契約書以外の登記原因証明情報を作成するべきです。この点については「登記原因証明情報とは、何ですか?」の回答をご参照ください。