本店移転

1 本店移転手続の流れ(株式会社の場合)

会社の本店(本社)がどこにあるかは、定款に少なくとも都道府県市町村まで書かれ(会社法27条3号 東京23区の場合は区まで)、具体的な住所が登記されています(911条3項3号等)。

よって、本店の変更登記は、以下の流れで進めます。

(1)貴社の内部手続その1 定款変更

株主総会を招集し、特別決議により定款を変更します。株主が1名~数名の中小企業の場合は、オーナー様が本社の移転先を決めるイメージです。

なお、定款変更が不要な場合は、定款変更のための株主総会は不要です。
例えば「本店は東京都中央区に置く。」と定款で定めている会社が、
本店を「東京都中央区銀座1丁目1番●号」から
同じく「東京都中央区」内の別の場所に移転する場合です。

しかし、たとえ同じ中央区内の移転でも、本店を「定款で」「東京都中央区銀座1丁目1番●号」まで定めていた場合は、定款変更のための株主総会特別決議が必要です。

このように、定款で具体的に所在場所(住所の番地まで)を決めてしまうと、移転する際の手間や費用にも影響します。そこで、弊所では、会社設立や本店移転をご依頼いただく際、定款上の本店は市町村までとするご提案をしています。

(2)貴社の内部手続その2 具体的な「場所」と「移転時期」の決定

上記1(1)で、例えば、定款規定を「当会社の本店は、神奈川県横浜市に置く。」とした場合、次に、横浜市内の「どこに」、「いつ」移転するかを決めます。

具体的な所在場所は、以下の機関により決定します;

□取締役会設置会社の場合→取締役会の決議
□取締役会がない株式会社の場合→取締役の過半数の一致

なお、代表取締役が2人いる会社でも、移転場所の決定は、取締役会決議(取締役の過半数の一致)が必要です。

(3)現実の本店移転

ご依頼にあたり、実際の移転日がいつかもお知らせください。

取締役会(取締役過半数)の決定による移転日が具体的な年月日で決めた場合は、その日を現実の移転日としてください。

これに対し、取締役会(取締役過半数)では移転予定の大体の時期を決めた場合(たとえば、本店は、平成●年の8月1日から同月10日までの10日間に■■へ移転する、と決めた場合)は、この期間内のどの日に移転したのか、お知らせください。

(4)国に対する登記の申請

取締役会(取締役の過半数)で決めた本店について、法務局で登記を申請します。
弊所が代理する場合、原則としてオンラインで申請し、議事録などの添付書類は法務局へ別途提出します。日本全国どの法人の本店移転でも対応します。

弊所では、以上の(1)(2)(4)とも、お手伝いさせていただきます。

2 必要な書類

(1)ご依頼にあたり拝見させていただく書類

・対象会社の履歴事項全部証明書
・定款
・株主名簿

 これらは登記申請で法務局には出しませんが、登記の添付書類を作る前提として確認しなければならないことが書いてありますので、拝見しています。
 お持ちでない書類がある場合は、ご相談にあたりお知らせください。


(2)登記申請に必要な書類


・株主総会議事録(定款変更が必要な場合)
・株主リスト(定款変更が必要な場合)
・取締役会議事録(又は取締役の過半数の一致を証する書面)
・現実の移転年月日を証する書面(移転日を概括的に定めた場合)
・登記委任状

3 費用の目安

各場合に分け、費用の目安をご紹介します。
ご依頼内容によってはご報告先が海外の場合の郵送代や、追加の書類作成が必要な場合等により誤差が生じます。
詳細は個別にお見積りします。

(1)同一の法務局の管轄内での移転の場合

例)東京都中央区築地 から 東京都中央区銀座 へ移転

(総額)約5万0825円
(内訳)
登録免許税 3万円
報酬・実費 約2万円

(2)管轄区域外への本店移転で、移転先に支店がない場合

例)埼玉県さいたま市 から 神奈川県藤沢市 へ移転
※旧所在地と新所在地の両方に登録免許税(各3万円)がかかるため、費用全体も高めになります。

(総額)約10万2935円
(内訳)
登録免許税 6万円
報酬・実費 約4万円

(3)支店所在場所への本店移転

例)東京都大田区の本店 を 愛知県名古屋市の支店と同じ場所に移転し、支店を廃止する

(総額)約14万7850円
(内訳)
登録免許税 9万円
報酬・実費 約5万円